メインコンテンツにスキップ

Simcypについて

マーケットリーダーであるSimcypを象徴するSimcyp PBPK Simulatorプラットフォームは、開発早期から臨床、承認申請、さらに市販後の全フェーズにわたって様々な意思決定に活用されてきました。Simcyp PBPK Simulatorは生理学的薬物動態(Physiologically-based Pharmacokinetic:PBPK)モデルに基づくシミュレーション機能を搭載し、生体内における薬物挙動や薬物相互作用(Drug-Drug Interaction:DDI)、さらに、人種、年齢、遺伝、病態などがそれらに与える影響を定量的に予測することができます。本ソフトウェアは、これまで試験数の削減や試験デザインの作成、さらに試験実施の免除だけでなく、新たな患者集団に対する用量調整の検討など医薬品開発に幅広く貢献しています。

Simcyp Simulatorは大手製薬企業35社が加盟するSimcypコンソーシアムを母体として20年以上にわたって開発が続けられており、当社のコンサルティングチームもあらゆる企業規模のお客様や医薬品開発計画のステージをサポートするために本ソフトウェアを活用しています。監督機関が医薬品審査に使用するSimcyp Simulatorは、悪性腫瘍、希少疾患、中枢神経系(Central Nerve System:CNS)、心臓、その他の治療領域にある、90件以上の新薬および300件以上の医薬品表示について、投与に関する決定に有用な情報を提供してきました。近年では、バーチャルの生物学的同等性の立証による複雑な後発医薬品の承認取得の実現にも貢献しています。

さらにサターラのVirtual Twin技術では、生理学に基づく薬物動態(PBPK)シミュレーションに基づき、薬物曝露に影響する属性を複製して、各患者のコンピュータモデルを作ります。同モデルでは、さまざまな医薬品投与計画の影響を患者の「仮想の双子」で評価することにより、研究者と臨床医が個々の患者の薬物曝露を最適化し、治療利益の見込みを最大化しつつ副作用を最小化できるようにします。実際の患者への投与前に、安全なin silicoの世界で「予行演習」を何度も行うことができます。

Simcypを活用した100 の新規医薬品が承認獲得

PBPKシミュレーションの利点

医薬品のライフサイクル全体を通じて、PBPKシミュレーションは、特定の臨床薬理試験の必要性や実施時期、実施方法に関する意思決定の支援や、医薬品添付文書に記載する推奨用法・用量の根拠提示に活用されています。また、戦略的な意思決定にも貢献しており、臨床試験デザインの策定や臨床試験の実施免除の実現に大きな貢献を果たしています。従来は、薬物の性能評価や用量選択、新しい患者集団の検討など、無数の「What if」の課題に対する答えを得るためには、長い年月と膨大な費用をかけて、時には大きな困難を克服しながら臨床試験を実施しなければいけなかった状況が、PBPKシミュレーション手法の導入によって一変したことは何よりも強調すべき成果です。

PBPKプロジェクトの事例

  • DDIのシミュレーション – PerpetratorおよびVictim
  • 薬物吸収モデル – 製剤や食事の影響、生物学的同等性
  • 特殊集団の用法用量 – 小児、高齢者、臓器機能障害、病態、人種差
  • 外因性要因が薬物の性能に与える影響の評価 – 喫煙、飲酒
  • 新規の投与経路 – 経皮、吸入、持続性注射剤、直腸、腟内
  • 生物学的製剤 – モノクロナール抗体、抗体薬物複合体、その他のタンパク、DDIに対するサイトカインの影響
  • 複雑な後発医薬品開発におけるバーチャルの生物学的同等性評価および製剤開発
  • 開発早期のPK予測、ファーストインヒューマン 試験の投与量選択
Simcypコンサルティングのカタログダウンロード
Benefits of PBPK
YouTube video

DDI評価の新標準

明確な意思決定:Simcyp PBPK Simulatorの活用によるDDI試験の代替

米国FDAが2020年に発出したDDIに関するガイダンスでは、PBPKシミュレーションの利点を明確に述べています:

  • 「PBPKモデルは、治験薬やその代謝生成物がDDIの基質または阻害剤となる可能性を予測することができる。」
  • 「基質の投与量非線形性のメカニズムが検証されたPBPKモデルは、投与量選択に有用である。」
  • 「科学技術の進歩に伴って、in silico手法を用いたDDIの予測を臨床DDI試験の代替とする可能性を米国FDAでは常に検討している。治験依頼者にはin silicoモデルの使用に関する課題や検討事項を米国FDAと協議することを奨励する。」

Simcypは、医薬品研究開発におけるPBPKの発展を先導してきました。特にDDI評価に対するPBPKの応用を初期から支えてきました。この事実は、上記のガイダンスにおける言及にもつながった多くの実績として現れています。Simcyp Simulatorは、仮想患者集団で薬物動態の結果を予測する最も洗練されたプラットフォームであると認められており、300件を超えるDDI試験に代わり活用されてきました。

Simcypコンサルティングチームでは、お客様のDDI予測プロジェクトの成功をサポートしております。

ホワイトペーパー:DDIのためのPBPK解析

特殊集団のPK予測

小児、高齢者、妊婦、腎または肝機能障害患者、さらに、その他の特殊集団は、臨床試験の段階では対象外とされていることから、医薬品添付文書にはそうした集団に対する注意事項や適正使用の情報が記載されていないことが一般的です。さらに、推奨用量には単一の要因のみが反映され、さまざまな健康状態をかかえる患者についての情報統合の仕方については、処方医師の推察に任されているのが一般的です。

Simcyp Simulatorでは、仮想の個人に対してIVIVE(In Vitro-In Vivo Extrapolation)とPBPKアプローチと組み合わせることによって、こうした特殊集団における薬物濃度や薬効の予測を可能としています。内因性および外因性要因、薬物特性、生体システムや特殊集団固有の特性をPBPKモデルを通して統合することで、特定の患者集団に固有な様々な背景情報を考慮したPK予測を実現します。Simcypは次のような特殊集団に対してこのアプローチを応用し、規制当局と得られた知見を共有しています:

  • 小児(新生児を含む)
  • 妊婦および授乳中の母親
  • 高齢者
  • 肝もしくは腎機能障害患者
  • 肥満
  • 人種間ブリッジング
  • 多疾患併存患者
小児疾患用Simcyp
Simcyp for Special Populations
Simcyp First-in-Human Services

シムシプ・ファースト・イン・ヒューマン・サービス

Simcyp PBPKは、データが限られているリード化合物の開発前の初期段階から、創薬および薬剤開発におけるPKおよび投与量予測に使用され、PKに対する生理学的変数または疾患の状態の影響を理解することを可能にします。ヒト初回投与量(FIH)の予測に加え、Simcypを使用して、初期の製剤スクリーニングと初期の薬物-薬物相互作用(DDI)をモデル化することができます。

詳細を表示

モデルを活かした製剤開発 (MIFD)

製剤開発は、医薬品開発のパラダイムにわたってマップする繰返し作業です。モデルを活かした製剤開発(Model-Informed Formulation Development:MIFD)は、Simcyp Simulatorを使用して、こうした作業工程の各ステップをサポートします。早期の製剤開発ガイダンスや塩類、多型、賦形剤、プロドラッグ、固体分散剤の影響に対するモニタリングから、仮想の生物学的同等性の証明、バイオウェーバーアプローチのブリッジングに至るまでサポートいたします。MIFDは、さまざまな生物薬剤学分類(Biopharmaceutics Classification System :BCS)にわたり、剤形を最適化するため、その剤形の価値を証明することにより、開発にかかるコストと時間を削減してきました。

ホワイトペーパーを読む
Model-Informed Formulation Development (MIFD)
Hannah Jones
Hannah Jones, PhD Senior Vice President, Head of PBPK Consulting Services

グローバル製薬企業において20年以上にわたって研究開発に携わっていました。特に、PBPKやPK/PDモデリングの分野で優れた実績を残しています。PBPKやPK/PDモデリング、DMPKに関連した50件以上の論文を発表しています。モデリング&シミュレーション手法の活用を通して医薬品研究開発プログラムに多くの貢献を果たしてきました。

Masoud Jamei
Masoud Jamei, PhD Senior Vice President, Simcyp Research & Development

Simcypの設計や開発、実装を担当する科学者とプログラマーチームを統括しています。in vitro-in vivo外挿やPBPK/PDモデル、トップダウンアプローチであるPopPKモデル解析手法のPBPKモデルへの応用など様々な分野に精通しています。

Bio Pic KarenYeo
Karen Rowland Yeo, PhD Seinor Vice President, Client &Regulatory Strategy

Simcypにおいて2002年からin vivoにおけるヒト薬物動態を予測するin vitroデータの外挿プロジェクトを率いてきました。また、Simcyp Simulatorに実装されるPBPKモデル構築プロジェクトのメンバーも務めていました。特に、PBPKモデリングとDDI予測といったテーマを中心に研究に取り組んでいます。

Powered by Translations.com GlobalLink OneLink Software