Piranaモデリング・ワークベンチ
ファーマコメトリクスモデル解析プロセスの体系化や管理は、従来効率性に欠け時間を要する作業工程でした。Pirana (ピラーナ) は、母集団薬物動態・薬力学（Pharmacokinetic and Pharmacodynamic：PK/PD）モデルの構築や解析、さらにシミュレーションといった一連のプロセスでみられる反復作業を円滑化する多くの機能を搭載したワークベンチです。Piranaの活用によって解析担当者は、母集団PK/PDモデル解析プロセスをより適切に体系化し効率的な解析を実現させることができます。
新しいMachine Learning Based Automated Model Selectionを用いて、モデル開発時間を20～30%削減
Piranaに組み込まれた新しいDarwin Model Search機能には、合理化されたpyDarwinへのユーザーインターフェース、最先端のオープンソースPythonパッケージが搭載されています。これは、米国FDAの資金提供を受けており、自動化ファーマコメトリクス（pharmacometrics：PMX）model selection用の数多くの機械学習アルゴリズムが実装されています。Darwin検索により選択された最適モデルは、ファーマコメトリクスワークフロー管理用の既存の一連のPiranaツールと完全な互換性があります。pyDarwinに関する詳細はこちらからご覧ください。
Piranaモデリングワークベンチの機能：
- Darwin自動化モデル検索機能
- モデルテンプレートと構築ウィザード
- モデル診断プロットのRライブラリ
- モデルコード変換ツール
- NONMEMのような母集団PK/PDモデル解析ツールとVisual Predictive Check、共変量モデル構築、ブートストラップなどの実行ツールを搭載したオープンソースソフトウェアとのシームレスな連携
PiranaはR speaks NLME（RsNLME）、NONMEM、R、およびPerl Speaks NONMEM（PSN）に使用可能です。Piranaは、WindowsおよびLinuxのオペレーティングシステムに対応しています。
モデル解析プロセスの体系化と管理
まるで実験室ノートのようなPiranaは、ファーマコメトリクスデータ解析の管理、作成、追跡、実行に必要なインフラを構築します。
そして、ファーマコメトリクスのワークフロー最適化を実現する様々なツールと連携することによって、さらに迅速かつ効率的なモデリング＆シミュレーションの実践を実現します。
Piranaは、解析結果を管理するフォルダ構造を自動的に構築するだけでなく、複雑な解析であっても常に解析担当者による解析の順序を記録し、トレーサビリティを確保します。
解析補助ツールとの連携と
レポート生成
Piranaのグラフィカルユーザーインターフェースを通して、Rを用いたプロット作成を素早くかつ簡単に実行することができます。また、PsNやXposeとの連携やユーザーが記述したスクリプトの読み込み機能を搭載することで、Rを用いたプロット生成を強力にサポートします。さらに、解析結果をWord、HTML、LaTeX、Excel、テキストなど、さまざまな文書形式のレポートとして即座に出力させることができます。モデル出力も「Model Results」Shinyアプリケーションを用いて処理できます。このアプリケーションでは、ポイントアンドクリックの作成や、グラフおよび表形式出力のカスタマイズが可能となるため、PDF、Word、またはhtml形式のRマークダウンドキュメントとしてレンダリングすることができます。基本となるRコードが、「やり方」の例としてユーザーの元に戻ってきます。あるいは、さらにカスタマイズして、目の前の問題の解決に求められる出力を生成します。
モデル選択の意思決定プロセス可視化
PiranaのVisual Run Recordオプションでは、独自のインタラクティブなツールによって、解析担当者のモデル構築プロセスを可視化します。
モデル選択の意思決定プロセスの全体像を提示することで、モデルの評価方法や、最終モデルの選択基準や理由を明確にします。
また、Piranaには、モデル構築過程をより簡便かつ迅速にするモデル評価や、複数のモデル候補の同時診断ツールが搭載されています。
