ファーマコメトリクスモデル解析プロセスの体系化や管理は、従来効率性に欠け時間を要する作業工程でした。Pirana (ピラーナ) は、母集団薬物動態・薬力学(Pharmacokinetic and Pharmacodynamic:PK/PD)モデルの構築や解析、さらにシミュレーションといった一連のプロセスでみられる反復作業を円滑化する多くの機能を搭載したワークベンチです。Pirana の活用によって解析担当者は、母集団 PK/PD モデル解析プロセスをより適切に体系化し効率的な解析を実現させることができます。
Pirana モデリングワークベンチの機能:
- モデルテンプレートと構築ウィザード
- モデル診断プロットの R ライブラリ
- モデルコード変換ツール
- バージョン管理と監査証跡機能
- NONMEM のような 母集団 PK/PD モデル解析ツールと Visual Predictive Check、共変量モデル構築、ブートストラップなどの実行ツールを搭載したオープンソースソフトウェアとのシームレスな連携
Pirana を通して、NONMEM、R、Perl speaks NONMEM(PsN)、Monolix をシームレスに連携させることができます。Pirana は主要なオペレーティングシステム(Windows、OS X、および Linux)に対応しています。
Pirana は母集団 PK/PD モデル解析専用の電子実験ノートとして、モデル構築や解析結果の管理、トレーサビリティの確保、さらにシミュレーションなどの実行に必要なインフラを提供します。
そして、ファーマコメトリクスのワークフロー最適化を実現する様々なツールと連携することによって、さらに迅速かつ効率的なモデリング&シミュレーションの実践を実現します。
Pirana は、解析結果を管理するフォルダ構造を自動的に構築するだけでなく、複雑な解析であっても常に解析担当者による解析の順序を記録し、トレーサビリティを確保します。
Pirana のグラフィカルユーザーインターフェースを通して、R を用いたプロット作成を素早くかつ簡単に実行することができます。また、PsN や Xpose との連携やユーザーが記述したスクリプトの読み込み機能を搭載することで 、R を用いたプロット生成を強力にサポートします。
さらに、解析結果を Word、HTML、LaTeX、Excel、テキストなど、さまざまな文書形式のレポートとして即座に出力させることができます。
Pirana の Visual Run Record オプションでは、独自のインタラクティブなツールによって、解析担当者のモデル構築プロセスを可視化します。
モデル選択の意思決定プロセスの全体像を提示することで、モデルの評価方法や、最終モデルの選択基準や理由を明確にします。
また、Pirana には、モデル構築過程をより簡便かつ迅速にするモデル評価や、複数のモデル候補の同時診断ツールが搭載されています。